DAIROKU清水森工房庫の山桜も咲きました。
弘前は春満開を迎えています。
暖かくなったと思えば寒い日に戻ったりで
まだ薪ストーブも使っていますが
確実に一歩一歩、新緑の季節へと進んできています。
そんな中ではありますが
4/25に発売 大人のための北東北エリアマガジン『rakura 5,6月号』に
DAIROKUのお皿が紹介されました。
北東北ということで、青森、秋田、岩手の三県限定の情報誌です。
私、笑顔で写ってます。
素敵な内容の記事を書いてくださって、感謝です。ありがとうございます。
皆様、是非。
最近納めたダイニングテーブルをご紹介いたします。
このテーブルにはストーリーがあって
12年前に父と私が納めたテーブル。
テーブルの脚には納品した年月を掘り入れてます。
今回はそれを新たにリメイクして使用したいというご依頼でした。
材はキハダ、長さは2100mm以上のニ枚の板
↑裏面
↑表面(今まで使っていた面)
それぞれ一枚ずつの板を楽しめるようにと敢えて「板接ぎ(いたはぎ)」はせず。
普段使用する際は、ニ枚をくっつけて使用し
中央に出来た隙間、この木の流れの景色を楽しむ。
という使い方をしていただいていました。
今回のご依頼は、40mmの厚みをキープしたままに真ん中の隙間を無くし、「板接ぎ」をして、一枚の板にして欲しいとのことでした。
無垢材の為、一度は機械を通して成形した板ですが、12年の経過とともに繰り返された伸縮で歪みやたわみ等の動きが出ています。
数枚の板を合わせて一枚板にする「板接ぎ」という技法。
これは全ての板を同じ厚みに整え、くっつけ合わせる面を90度出してから接着剤で圧着する方法です。
厚みを均一にする為に、まずは板を機械に通して作っていくものなのですが
今回のご依頼は、あくまでも厚みはキープして欲しいとのこと。
ということは、薄く出来ないし、機械を通せない・・。
悩みました。とっても。試行錯誤です。
それでも、12年の歳月を感じない程に板の状態が良く、うまい具合に作業が進み、「板接ぎ」をすることが出来ました。
完成形はこちらです。
↑今まで裏としていた面
こんなにも美しい杢(もく)が出て、惚れ惚れしてしまう。
つい何枚も撮影してしまいました。
そしてこちら
↑今まで使っていた表面はハツリ仕上げにし
リバーシブルでお使いいただくことが出来ます。
色も茶色にしました。
よりシックな重厚感を感じる雰囲気で仕上がりました。
先日、弘前市内のお客様へ納品に行ってきました。
12年前に一緒に納めた椅子たちも、艶感と色具合が良くなってました。
経年美です。
どんどん使っていって、かすれ具合や色の変化、傷だったりを楽しんでいただきたいです。
これからまた、どうぞよろしくね。
お喜びいただけて何よりです。
私にとって、とても素晴らしい経験になりました。
普段はテーブルやデスク等制作する際、天板には反りを防止する為の「反り止め」を付けて制作しますが
今回は反り止めを付けない制作だったので、その代わりにリバーシブルで楽しめるという方向で提案してみました。
父と手掛けた作品を、時を越えてまた新たに自分スタイルに作っていく。
時代に合わせた使い方だったり、環境の変化だったり。
そういうものをうまく取り入れながらも
受け継いだDAIROKUの『らしさ』を失わずに大切にして
これからも進んでいきます。